「…わから…ない」
「そうか」
彼は上着を着た
「買い物に行ってくる…待ってろ」
「行かないで…って…言いたい…」
僕は呟いた
「わかってる」
彼は真顔で言った
「ちょっと我慢しろ」
そう言うと彼はホテルのバスローブ
の紐を二本持ってきた
そして僕の足と腕を縛り始めた
「な…なに…やめて…!」
「シャブの妄想が出るとマズいから
な…まだ完全に安全なわけじゃない
君のためだ…部屋を出ないようにす
るだけだから…わかるか?」
意識の混乱した今の僕には
必要なことなのかも知れないけど…
「イヤだ…外して…このまま僕を
置き去りにするの?」
彼はベッドから掛け布団を剥ぎ
僕に掛け少し微笑んだ
「ちゃんと帰る…食料と服を調達し
てくる…いいか…シャブの妄想は
危険なんだ…自分で自覚してないか
らな…今の君はまだそんなに妄想に
冒されていないのかも知れないが…
混乱してることは確かだ」
彼は立ち上がりドアに向かった
「すぐ帰る…悪いが我慢してくれ」



