「お前のこと……放っておけない」 優輝は震えるあたしの体をきつく抱きしめた。 その大きな背中におそるおそる腕を回す。 ありがとう。優輝、ありがとう。 初対面のあたしに優しくしてくれてありがとう。 きっと大丈夫だよね。 だって、明けない夜はないっていうじゃない。 達也とのことだって、いつか笑い話に出来る日がきっとくる。 だから、今だけは……こうさせて……?