「……――ごめん。待った?」 ベンチに着いた時には、約束の時間を5分も過ぎていて。 謝りながら達也の隣に腰掛ける。 薄暗い公園。 電灯の周りに小さな虫が集まって飛んでいる。 二人の間に漂う重たい雰囲気。 その雰囲気を壊す様に、達也が口を開いた。 「お前さ、何で別れようとか言い出したわけ?」 「……えっ?」 「なんで俺がお前なんかに振られないといけないんだよ」 「達也?」 俯いたまましゃべる達也の表情は分からない。 だけど、一つだけ確かなことがある。 達也は怒ってる。