純恋〜スミレ〜【完】

あたし達……生きてる。


ちゃんと、生きてるよ……――。


優輝の背中に腕を回して、大きな胸に顔を埋めると、優輝の心臓の音が体中に響いて。


あたしは優輝にしがみつきながら、涙を流し続けた。



「優輝……よかった。よかったよぉ……――!!!」



生きている。


ただ、そんな当たり前の幸せを噛み締めながら。