純恋〜スミレ〜【完】


柔らかくて温かい感触。


だけど、涙で少しだけしょっぱい。


ああ、やっぱりこれは夢なんかじゃない。


だって、優輝の首にはあたしがあげたネックレスが付けられているから。


優輝、生きてる……。


生きてるんだ……――。


ホッとしたと同時に、再び涙が溢れだす。




「だから、もう泣くなって。ったく、しょうがねぇな」


優輝は再び泣きだしたあたしの体をギュッと抱きしめる。


優輝の匂い、温もり、感触。


優輝に抱きしめられているこの瞬間に、幸せが溢れだす。