「……――お姉ちゃん!?お姉ちゃん!?」 重たいまぶたを持ち上げて薄らと目を開けると、誰かが大声であたしを呼んだ。 視界が徐々にクリアになる。 真っ白い天井、消毒液の匂いが漂う部屋、ノリのきいたパリパリのシーツ。 お世辞にも可愛いとは言えない病院着。 「あー!!もう!!こんな時に限ってお父さんとお母さんいないんだから!!お姉ちゃん、ちょっと待ってて!!今連れてくるからね!!」 バタバタとうるさい足音を立てながら部屋を飛び出していったのは叶恋だろう。