―――………


「……――れちゃん……」


誰かがあたしの名前を呼んでいる気がする。


薄ら目を開けると、視界がグニャリと歪む。


「……――みれちゃん……」


やっぱり、そうだ。


気のせいなんかじゃない。


視界がハッキリせず、声のする方向に必死で手を伸ばす。


だけど、その手は宙を舞う。