純恋〜スミレ〜【完】


「ちょっと、純恋。アンタ、新手の教師イジメでも始めるつもり!?」


「教師イジメってなに?」


「何?じゃなくてー。アンタ、アイツのこと口うるさくて嫌いって言ってたじゃん」


「前は、ね。今は案外好き」


「……――ハァ?どういう風の吹き回しよ!!何か弱みでも握られた?」


「そんなんじゃないって。違う角度から見たら、同じ物事でも違って見えるって知っただけ」


「ちょっと~!!アンタやっぱり熱でもあるんじゃないの?」


オーバー気味にリアクションをとるナナ。


「ないって」


そう答えてふと前方に視線を移すと、教壇の上に先生がチラチラとこちらを見ていた。


いつもみたいに怒鳴りつければいいのに。


先生、マジで分かりやす過ぎ。


「話はまた後でね」


ナナにそう告げると、あたしは机の上の教科書を開いてほぼ真っ白なノートにシャーペンを走らせた。