「……――ミナ……?」


開いた扉から覗いた色白の小さな顔。


その表情はどこか固いけれど、山城君に注がれる瞳は優しさで満ち溢れている。


山城君とミナちゃんの間に漂う、どこか温かい雰囲気。


「ミナちゃん、あたし山城君に人生相談しに来ただけだからもう帰るね?じゃあ、ごゆっくり」


山城君との関係を誤解されないようにフォローするつもりだったのに、訳分からないことを口走ったあたし。


「純恋ちゃん、浩哉に人生相談してたの……?」


ミナちゃんは不思議そうに首を傾げたものの、ありがたいことにそれ以上つっこんではこなかった。