純恋〜スミレ〜【完】

「どうした?ボーっとして」


「ううん、何でもない」


首を振ると、優輝はそっとあたしの頭から手を離して頬に触れた。


「もし何かあるなら、すぐ俺に言えよ?」


「ありがと」


優輝の優しさが体中に染み渡って幸せな気持ちが溢れてくる。


好きの気持ちが止められない。



「ねぇ、優輝……ずっと一緒にいてね?」


ポロリと零れ落ちた言葉。


優輝は柔らかい表情を浮かべたまま、そっとあたしの唇にキスをした。



「当たり前だろ。純恋が嫌だって言っても、離れないから」


その言葉に込められた優輝の愛に胸を震わせる。



あたしは優輝の体にギュッとしがみついて、その温もりを全身に感じながら願った。



これから先、


何があって優輝と一緒にいられますように……と。