悲しいからじゃない。 ああ、そうか。 涙は嬉しい時にも流れるものなんだ。 「もう俺の前から勝手にいなくなるなよ?」 「……うん」 あたしと優輝は静まり返る部屋の中で、唇を重ね合わせた。 お互いの気持ちを、お互いの唇で確かめあうように。