「ったく。手のかかる奴だな」 「わりぃな」 「悪いと思ってんなら一人で歩けよ」 ブツブツと文句を言いながらも優輝の体を支えて階段を登っていく大悟君。 ぶっきら棒だし、口は悪いし、目つきはもっと悪い。 体中から独特のオーラを放ってるし。 だけど、彼は優しい人だしきっと気も利く。 大悟君とは初対面だし、彼と一緒にいるのもまだ30分足らず。 男を見る目のないあたしだけど、彼が悪い人でないことを肌で感じ取った。