純恋〜スミレ〜【完】


メールも返してないし、来る当てのないあたしなんかのこと待ってるわけないよ。


昨日だって、麗華さんがいたじゃない。


きっとあの後、麗華さんの赤い傘でどこかへ移動したに違いない。


心の中で必死にそんな言い訳を繰り返してみても、なぜか胸騒ぎはおさまらなくて。


だけど。


もし、いたとしたら。


もしまだあの公園で、あたしのことを待っているとしたら……。


あたしがやって来るまで待っているつもりだったとしたら。




「……――いかなくちゃ」


優輝の待つ公園に。


今すぐに。


あたしはバッグの中に携帯と財布を押し込むと、濡れた髪を乾かすこともせずに部屋を飛び出した。