純恋〜スミレ〜【完】

「あたし、バカみたい……」


震える唇からポツリと零れ落ちた言葉。


未だに優輝があたしを愛してるわけないじゃない。


何期待してんの。


だって、そうでしょ。


もし、あたしが優輝と逆の立場だったらどう?


お兄さんがもし叶恋だったとしたら。


大切な妹の叶恋が優輝のせいで死んでしまったとしたら。


それを知っても……優輝を愛してると言える……?



「……――うっ……うぅっ……。どうして……。どうしてなの!?」


ベッドからズルズルと滑り落ちてペタリとフローリングの床に座り込む。


やり場のない悲しみ。


あたしは泣き叫びながら、ベッドをこぶしで叩いた。