「優輝先輩言ってたよ。お姉ちゃんに会いたいって」


「あたしに……会いたい?」


「そう。最近、会ってないんだって?どういう理由かは知らないけど、あんないい男放っておいたら、他の女の子にとられちゃうよ?」


「……だね」


「だね、じゃなくて~!!お姉ちゃん、危機感なさすぎ!!優輝先輩ってイケメンだし、毎日同じ公園にいたら女の子から目つけられて逆ナンされちゃうかもしれないよ」


「公園ってなに……?」


「優輝先輩、最近毎日駅前の公園のベンチに座って誰か待ってるもん。あたし、何回か見かけたし」


優輝が……駅前の公園で……?


心臓がドクンと音を立てる。



「優輝先輩が待ってるのってお姉ちゃんじゃないの?喧嘩しちゃったなら、そろそろ許してあげなよ~。優輝先輩、可哀想じゃん」


「……」


あの日だけじゃなかったっていうの……?


優輝は毎日のように、あの公園に足を運んでいるの?


まさか、そんな……――。