純恋〜スミレ〜【完】



『頼むから電話に出てくれ』


『全部、説明するから』


優輝から送られた切実なメッセージに胸が締め付けられる。


優輝は……いつからあたしの存在に気が付いていたんだろう。


小銭がなくて、コーヒーを買えずにいた優輝に何気なく話しかけたあたし。


『白石純恋』


そう名乗ったあたしに、優輝は少しだけ驚いていた気がする。


今だからこそそう思うだけかもしれないけれど。