「そういえばさ、優輝って兄弟いるの?」


部屋に戻って何気なくそう尋ねると、優輝はすぐに首を横に振って否定した。


「いない」


だけどその時、明らかに目が泳いでいたのに気が付いて。


「……そっか」


でも、あたしがそれ以上追及することはなかった。





その数日後、


全てが明らかになるとはこの時のあたしには想像もつかなかったんだ……――。