その時、ふと男の子があたしに視線を向けた。


その瞳に浮かんだ絶望の色。


そして、あたしを刺すような冷たい視線。


それはまるで、『お前が殺したんだ』とでも言いたそうな……。



あたしが……殺したの?


あたしがこの男の子から、お兄さんを奪った……?


お兄さんがあたしの背中を押さなければ……あたしが死んでたんだ。


お兄さんはあたしのせいで……。


ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。



嫌だ、嫌だよ。こんなのって……――。


ねぇ、あたしのせい……?


お願いだから。


お願いだから、そんな目で見ないで。



あたしを……


見ないで……――!!!