自分の首には安物のネックレス。 去年と同じ水着。 マニキュアを塗っただけのケアの行き届いていない爪。 ペディキュアなんて剥がれかけてる。 あたし、やっぱり、この人に負けた。 思わず足の指に力を込めて内側に丸めこんだ。 剥がれかけてるペディキュアが麗華さんに見えないように。 ちっぽけなプライドを守るために。 「あっ、純恋ちゃんの水着可愛い~。どこで買ったの~?」 ほら、やっぱり。 さっきまで優輝とのお喋りに夢中だった彼女は、あたしを上から下まで舐めまわす様に見つめてそう言った。