「おまえ、ねらって、じゃましただろ?」 「? なんのことか、ぜんぜん、わからないよ、海老原」 「うそつけよ、長岡」 なんだか、青白い火花が二人の間でばちばち散っているみたい。 わたしは、じりっと一歩さがった。 クリアファイルを握り締め、ブランコのそばに置いたままだった鞄をすかさず、手に取った。 「わ、私、もう帰るね」 とりあえず、いって踵を返そうとする。 二人が同時にいった。 「おくろうか?」 「おくる!」 私はぶんぶん、首を振った。