大嫌いだから、ね? ②(短編)

「きゃ!」


 鎖から手をはなせば、当然、落ちるしかなく・・・



「あぶね!」



 光くんの大きな声がした。



 身体がふわりと浮いた。

 次は落ちるだけ。

 思わず私はぎゅっと目をつむった。



 ・・・が、

 落下の衝撃は私には襲ってこなかった。



「あぶねぇよ、まじで! ばか!

 いきなり、手をはなすなよ! 落ちるに決まってるだろ!」



 耳のそばで光くんの声がした。

 目を開けた私の身体は、光くんの腕の中にあった。



 どくん、心臓が大きな音をたてた。