「もしも~し、陽菜?」



 気がつくと、にやにやと笑いながら理佳が私の前で手を振っていた。



「えっ?」

「なに一人の世界に入ってるの?」



 気がつくと、理佳の目の前のお皿はからっぽ。

 私のラーメンは、麺が延びて、汁がほとんどなくなっていた。

 私は、箸をおいた。



「ごちそうさま。・・・ううん、べつに一人の世界なんて」

「そう。でも、陽菜はどう思ってるの?」

「どうって? なにが?」

「海老原光のこと。

 彼、ちょっときつめの顔立ちだけど、整ってるし、かっこいいよね。

 ほぼ女子だらけの、うちの学校。今年からだから、一年以外は女子ばっかりだよ。

 ・・・彼、もてると思うよ。今のうちに、ちゃんと手を打っとかないと、ライバルがどんどんどんどん、わいてでてくるよ。

 ね、陽菜?  どうする?」

「・・・」


 
 私の中の、光くんは常にいじめっこだった。

 でも、再会した光くんはとても優しくて、私は戸惑うばかりで、その変化についていけない。

 だから、だから、好きだとか、付き合ってるとかいわれても・・・ますます戸惑うばかり・・・。



 どうしていいか、わからないよ。