リキはもう少し勉強しようと机に戻ると、小柄な女の子が何やら捜し物をしていた。



 女の子は、一生懸命に何かを捜していて、リキは思わず声をかける。



 「何か捜し物ですか?」



 その声に、女の子ははっと顔を上げて、真っ黒な大きな瞳でリキを見た。



 泣き出しそうに眉を下げ、真っ黒な目を潤ませて、上目遣いで見られたリキは、思わず手で口を押さえ、目を逸らす。




 ――やばい、この子、無意識なんだ…。




 そんな事を頭の隅で考えながら、目線を女の子に戻した。



女の子は、相変わらずウルウルした瞳で、



 「家の鍵、なくしちゃったんです…」



と、小さな声で教えてくれた。