帰る気すらしなかった…。


いつもなら一緒に帰れるのに…。



一時間ぐらい泣いただろうか!?


誰もいないバイト先の玄関。


ケータイを開くともう12時をまわっていた。


立ち上がり、ゆっくり歩き出す。


気持ちの整理がつかずに
いつもより遠回りして帰ることにした。


田舎だけなことあって、
人なんて歩いてない。

電灯もあまりなくて、
車すらあまり通らない。

今の私には怖いとも感じなかった。

静かな夜が逆に心を落ち着かせてくれた。

そんな時に鳴り響くバイクの音。


近づいては、遠くなり
近づいては、遠くなり…。


それを繰り返す。



まるで私の後をつけるかのように…



静かな夜に鳴り響くバイクのエンジン音。




警戒すら、していなかった。



「また、バイクか…」



そう感じただけ。