キミ色

教室に戻ると、時雨が声をかけてくれた。
時雨はいつもの笑顔で俺を迎えてくれる。



「やっときたな!櫂」



「おはよ」


「なぁ!ちょっと聞けよ?!」


「ん?何?」




そう言って席に座ると、時雨は机の上に一枚の紙を置いた。
大きい見出しには“高2 修学旅行のご案内”




「修学旅行?」


「そう!俺等もうちょっとで修学旅行、行けんじゃん?!」


「うん、まぁ。」



何故かニヤニヤしている時雨の顔。
また、何か企んでいるに違いない。



「で?これが何かあんの?」


「ここ見ろよ!!」




そう言って時雨が指差した所は、グループ分けのところだった。
詳しい内容には、男子2人女子2人で1グループと書いてある。