そう…蓮だ。


どうして…?
何でこんなとこに蓮が?


扉をあけようとすると、横から愛依の小声がしっかりと聞こえてきた。


「もしかして…彼女?しかも、子供って…」


妙にニヤニヤと笑いながらそう言うと、愛依はまた俺より一足先に出て行ってしまった。
それに続き出て行く俺。


もしかして、誤解された…?



「…あっ!ちょっと待って、愛依?!違うって!!」



何とか誤解を解こうとしたが、愛依はすでに曲がり角を曲がってしまったいた。
店の前にぽつんと残る俺。



違うんだってば…。



「…違うって…何が…?」



その声にぱっと前を見ると、そこには本当に蓮がいた。
その細い手にはさらに細い聡君の姿がある。



「いや…、何でもない。」


俺は無意識に言葉を濁していた。
そして、今度は自分から質問する。



「どうしたの?こんな時間に…」



車のライトが俺達3人を照らして行く。
そして、少しの沈黙の後にようやく蓮は口を開いた。




「櫂と…、話がしたい。」