「…負けませんよ。俺達は」



玖音の言葉に


父さんは小さく


笑った



「まぁいい…。庵」



父さんは


玖音から庵に


スッと視線を移した



「今なら貴様の裏切り、許してやるぞ?」



そう言いながら笑う


父さんに


庵の身体が微かに


ビクッと動いた



「ぅにゃぁっ!!!」



僕は


とびきり大きな声で


そう鳴いた



「っ!?」



皆が僕に


視線を向けた



僕は猫らしく、


全身の毛を


逆立ててみた



「……猫?」



父さんは


ギロッと僕を


睨んだ