『庵』 僕は名前を呼ぶ その人は‥ 目を見開きながら 辺りを見回した 『庵。僕だよ』 「…野良、か?」 『うん』 「野良、どこにいんだよ」 『一応‥目の前にいるよ』 庵はまた目を大きくした …やっぱり‥ダメだ この姿は‥ 庵には見えない 「…なぁ‥野良」 『なに?』 「野良猫、怒ってたか?」 『怒ってないよ。玖音達、庵を探してるよ』 僕の言葉に 庵は少しだけ…‥ 嬉しそうに微笑んだ