玖音の前では
猫でいよう
リオンの為にも
それが一番いい答えだよね?
「玖音。暫く、この猫ちゃんと遊んでもいい?」
「…遠くには行くなよ、リオン」
「うん」
リオンは
僕を抱いたまま
人がいない
倉庫の外に出た
「浬音」
リオンはそっと
僕を地面に降ろした
「…リオン‥」
「探しましたよ?」
ニコッと
涙目で笑いかけた
「なんで…‥猫なんですか‥。人間だったら、また話せたのに」
「……色々と、ね?」
「…仕方ないですね…まったく。さすが、‥『浬音』ですね?」
リオンは
クスッと笑いながら
僕の額を優しく弾いた
「…話さなくていいんですか?」
「…うん」
「…そっか…‥‥。浬音」
「…ん?」
リオンは
僕に優しく微笑んだ

