「…泣くなよ」 「え‥っ」 庵は僕の目元に 優しく優しく‥触れた 庵の綺麗な指には 雫が一つ‥ 残っていた …きっと 僕はまた‥ 誰かを傷つける あの日‥ 玖音の心に 傷を付けたように…‥ 僕はまた‥傷つける 「庵‥」 「だから泣くなって」 庵は優しく 僕を胸に抱き寄せた 庵の匂いは‥ どこか懐かしく 誰かに似ていた