佐紀たちは、イッパイの荷物を持って、
体育館の前に、立っていた。


佐紀たちの高校の体育館と、大差なかった。


  「これが、体育館かぁ」


  「ちょっと、しょぼいじゃん」


  「ええやん。コートとリングがあったら
   それで、十分やで

   それより、温泉、温泉。
   そっちに、期待しよ?」


  「だねっ」


三田が、後ろから、


  「練習が済んだら、旅館へ行くから、
   荷物は、見える所に、まとめておけ」


すると、歩美が、


  「旅館かぁ」


  「ホテルじゃ、ないんだ」


  「あら、旅館も、風情があって、
   いいですわよ」



アリーナへの扉を開け、


  「こんにちはー」


そう言って、佐紀たちが、中に入ると、
マネージャーが、走って来た。


  「甲陽さんですね。
   更衣室は、あちらです。
   荷物は、そこに、置いてください」


と、体育館の隅を、指差した。

三田が来て、

  「今日は、先生は、来てないのかな?」


  「今日は、用事があると、言ってました
   明日は、来られると思います」


  「そうか。まっ、ヨロシク、頼むよ」


  「はい。こちらこそ、
   よろしくお願いします」