甲陽高校、体育館。


練習が終わると、梨沙が、
プリントを、皆に配った。


  「春休み、合宿をするからね。
   詳しい事は、これ、読んで」


すると、三田が、

  「俺の大学の女バスが、合宿をするので
   合同合宿を、お願いしたんだ」


  「前と、同じ所ですか?」


  「いや、前は、大学だったけど、
   春は、地方でやるんだ。
   まっ、それに書いてある通りだ。

   今回は、温泉らしいぞ」


  「えっ、温泉?」


  「わぁ、楽しみ」


  「楽しめるかどうかは、わからんがな」


  「せや、前も結構、しんどかったやん」


  「いつ、やったの?」


  「そうか、モモ、知らないんだ」


  「中学3年の夏、県大会前に、
   港南と港北で、行ったんだ」


三田は、意地悪そうな笑顔で、


  「あの時は、港北のお礼として、
   行ったからな。
   向こうも、お客さん扱いだったし。

   ても、今度は、違うぞ。
   マジ合宿だぞ」


  「えー、もっと、しんどいのん?」


  「さあ、どうかな?」


  「それが、合宿だよ。
   ユリ、覚悟、決めなきゃ」


  「うん……、わかったわ」


  「あの時は、1泊だけだったが、
   今度は、3泊4日だ。

   金額も張るので、1年生は、
   自由参加とする。
   その申込書を、出してくれ」


友理は、遠くを見つめ、


  「温泉かぁ~」