2人がいなくなった後、佐紀は、
近くの椅子に座った。


  “聞かなければ、よかった”


しかし、佐紀は、聞いてしまった。


  “自分は、祐太の邪魔をしている”


そんなことは無いと、思いたかったが、
どうしても、
それが、頭を離れなかった。



祐太と一緒にいると、楽しい。

家で、宿題をしている時でも、
フッと、その楽しい気持ちを思い出して、
ニヤけてしまう事がある

気がつくと、かなり時間が経っていて、
慌てて宿題をすることも、よくあった。

バスケットをしている時は、さすがに、
そんなことは無かったが、
勉強の妨げになっているのは、確かだった。

恐らく、祐太も、同じだろう。


佐紀は、椅子に座ったまま、動かなかった。