坂井は、何かを思い出し、ニヤリとした。
「あいつらは、面白いチームでな。
まっ、元から、仲のいいヤツらだが、
サキをいじめれば、いじめるほど、
結束が強くなって行くんだ」
「あっ、それ。私も、感じていました」
「あのソノが、我が道をゆく御園が、
サキの言う事だけは、
なぜか、聞くんだ。
ありゃ、きっとあいつには、
そうさせる何かを、
持ってるんだろうな」
「そうですね。私も、そう思います」
「そのサキがな、何度も、来るんだ。
“コーチ、お願いします”ってな。
あいつは、ホントに、
諦める事を知らん奴だな」
「ハハハ、それがサキの、
いい所ですからね」
「来るたび、突き放すんだが、
ワシも、それが辛くてな」
坂井は、苦悩の表情になった。
それを見た三田は、断る理由もないので、
「わかりました。あいつらのコーチを
引き受ける事にします」
「すまんな。こっちの都合で、
無理を頼んでしまって」
「いえ、あいつらは、中学の時教えて、
大体の事は、わかっていますから」

