次の日、放課後。

授業が終わり、友理が、カバンに教科書を
詰め込んでいると、佐紀が来た。


  「今日、部活は?」


毎日している質問を、今日もした。


  「うん、今日は、帰るわ」


そして、いつも返って来る答えが、
今日も、返って来た。

しかし佐紀は、無理強いはしなかった。

友理が、立ち直ってくれるのを、
待っているのだった。

でも今日は、少し踏み込んだ質問をしてみた


  「もう長い間、来てないじゃない。
   まだ、ダメなの?」


  「ウチ、もう、辞めよかと……」


  「ダメだよ、そんなの。
   大好きな、バスケットじゃない」


  「でも……、ゴメン」


そう言って、カバンを持ち、立ち上がった時
教室の後ろから、声がした。


  「ユリっ!」


後ろの入り口に、松葉づえをついた、
梨沙が立っていた。


  「リサ……」


友理は、梨沙を見たとたん、動けなくなった