甲陽高校、体育館。

ディズニーランドで、
思いっきり遊んだ佐紀たちは、
また、新たな気持ちで、練習に臨んでいた。



9月は、そうでもなかったが、
10月に入ると、坂井の来る回数が、減った

しかし、坂井のモチベーションは高く、
少しでも練習がダレると、
容赦なく、佐紀を叱りつけた。


  「お前、キャプテンだろうが」


二言目には、そう言って、佐紀を叱った。



練習の帰り道、


  「まぁ、コーチの、怒る事、怒る事」


  「ホント、サキが、可哀そうだよ」


  「仕方ないよ、その通りだし」


  「ありゃ、ほとんど、イジメだね」


  「ウチら、一生懸命、やってるやん。
   そやのに、サボってるやなんて」


  「そう見える人が、いるという事
   でしょうね」


  「えー、そんなの、いてへんやん」


  「ユリは、見えないだろうね」


  「ユリにはね」


友理は、ようやく、皆が何を言っているか、
わかった。


  「えー、ウチ、一生懸命、やってんで」


  「だから、そう見えるって事ですわよ」


  「サキぃ、ウチ、
   どないしたら、ええのん?」


  「ユリが、一生懸命やってるの、
   知ってるよ。

   だから、今まで通りで、
   いいんじゃないの」


  「せやけど、サキ、怒られてまうやん」


  「いいよ。
   それも、キャプテンの仕事だから」


  「ほな、もうチョイ、頑張ってみるわ」



何を言われても、メゲない、佐紀達だった。