佐紀が、皆に向かって、

  「みんな、こっち」


そう言って、ベンチの前の、
フリースロー・サークルへ、歩いて行った。

皆も、佐紀が何をするか、すぐにわかって、
後に続き、サークルで、円陣を組んだ


佐紀が、声を出す。

  「桃華ぁーー~」

  「ファイトォ」

  「甲陽ぉーーーーー~~」

  「ファイトォーーー~」


そして、全員で、拍手。



すると、それを見た桃華が、円陣を組み、
同じように、エールを送って来た。

そして、佐紀達の所へ、やって来ると、
桃華の4番は、佐紀に抱きついて来た。

あっけに取られる佐紀。

桃華の4番は、

  「ありがとう、いいゲームだったね」


佐紀から離れると、そう言った。

他のメンバーも、面々に、
話しをしたり、握手をしていた。


  「次も、頑張ってね」


そう、佐紀が言うと、桃華の4番は、


  「ありがとう、頑張るよ」


そして、最後に、


  「私、あなたたちの事、忘れないよ。

   こんなゲームが出来るなんて、
   思いもしなかった」



桃華と甲陽は、互いに手を振り、別れた。

それは、死闘がもたらした、
一つの、絆だったのであろう。