桃華のベンチを見ていた三田は、
「よしっ、次は、やはり、
プレス・チームだ。
サキ、ソノ、ミヤ、行けるな?」
「はいっ、大丈夫です」
三田は、5人に、
「いいな、ディフェンスが、
2人来たという事は、誰かが、
フリーという事なんだからな。
早く、自分がフリーかどうかを、
判断しろ。
それと、止まっている奴には、
パスは、入らないぞ。
必ず、動いて、ボールをもらう様に。
止まってる時間なんか、無いぞ」
「はいっ」
オフィシャルのブザーが鳴る。
佐紀が、声をかける。
「いい、走るよ。
イチ、ニッ、サン」
「ファイ」
桃華のプレス・チームの当りは、強かった。
甲陽は、パス・ミートと、リード・パスで、
何とか、ボールを運んで行った。
しかし、主導権は、桃華が持っていた。
ほんの僅かの差ではあるが、甲陽は、
必死に、ボールを運んで行っていた。
こういう展開では、主導権を握っている方が
疲れは少ない。
2クォーターも、終りに近づくと、
甲陽の方が、疲れの度合いは、大きかった
特に、佐紀と華子は、連続で出ていたため、
その程度も、大きかった。

