タイムアウトが明けると、桃華のゾーンは、
センターが、友理について来た。
そこで友理は、
華子の反対サイドへ、スクリーンに行き、
エリアを空けて、華子に、勝負させた。
華子は、カット・インからの、
ステップ・シュートで、ファウルを取り、
フリー・スローを決めた。
桃華のセンターが、それに気付いて、
オープンスタンスに切り替えて、
カバーに出ると、スクリーンで出て来た、
雅美にパスし、得点を重ねた。
桃華は、積極的に、3ポイントを打ってきた
センターが大きく、リバウンドが取れるから
例え落としても、アシストになるからである
甲陽は、必死に、スクリーン・アウトを、
していた。
しかし、押し合っているため、
ルーズ・ボールの反応は、
桃華の方が、早かった。
それでも、甲陽は、粘り強く、守った。
例え、ルーズボールが、桃華に行っても、
「ドンマイ」
「あと、アト」
と、声を掛け合って、守っていた。
審判の笛が鳴る。
「24秒オーバー・タイム」
甲陽の、粘り勝ちだった。
オフィシャルのブザーが鳴り、
審判が、笛を吹く。
「クォーター・タイム」
甲陽 12 ― 10 桃華
甲陽、2点の、リード。
ロー・スコア作戦、桃華のセンター対策は、
一応の成果を見た。

