オフィシャルのブザーが鳴り、
審判が、笛を吹く。

  「1分前」


三田は、皆を集めた。


  「いいな、昨日、打ち合わせた通り、
   行くぞ。

   自分の持っている物、総てを、
   このコートに、吐き出せ。

   終わった後、
   何も、残っていない様になっ」


  「はいっ」


  「よしっ、行くぞ」


佐紀が、声をかける。

  「頑張って行くよ。
   コオヨ―」

  「ファイトー」



試合前の挨拶。

桃華は、やはりゾーン・チームが、出て来た

桃華のセンターは、実際に前にすると、
想像以上に、大きかった。



甲陽のスタートは、予定通り、
ガード、佐紀、フォワード、華子、雅美
センター、友理、里香。

ベンチも、立って1列に並ぶ。

そしてベンチの最後の席には、
千奈がくれた人形が、
タオルの上に乗せられていた。


  「おねがいしまーす」


三田は、ベンチから、


  「よーし、行くぞー」



2試合目が、始まった。