第4クォーターが、始まった。
新垣のコーチも、混乱していた。
たった2分のクォーター・タイムで、
適切な指示も、出来るはずはなく、
ただ、叱咤激励で、終わってしまった。
そのため、同じフォーメーションを、
繰り返すだけになり、
甲陽に、全て、潰されていた。
ディフェンスも、全て、後手に回っていた。
カバーには行くが、甲陽は、それより早く、
次のプレーに、展開していた。
友理は、センターなので、
里香がハイポストにいる時、
どこにボールが欲しいか、よくわかっている
そして、次に何をして欲しいかも、
わかっている。
時々友理は、思い出したかのように、
中へ切れ込み、パワー・プレイをした。
それは、極めて気まぐれで、新垣も、
予測することは、不可能だった。
今や、新垣は、成す術を失っていた。
残分5の時点で、追いつかれ、
さらに点差は広がって行く勢いだった。
華子がジャンプ・シュートを打ち、
決まった所で、オフィシャルのブザーが鳴る
「チャージド・タイムアウト、新垣」
残分4で、甲陽、4点のリード。

