ベンチに腰を下ろした三田に、
スコアをつけていた梨沙が、
「大成功ですね」
「ああ、名付けて“想定外作戦”
向うは、よく訓練されてるから、
普通に行ったら、勝てないだろうな。
だがこれは、初めてじゃないかな?
まっ、鍵は、ユリだがなっ」
「ユリ、普通のマンツーマンでも、
同じような事、やってますよ」
「ハハハ、確かに」
3クォーターも終わりに近づいて、ようやく
新垣のコーチが甲陽のシステムに気付いた
あわてて、タイムアウトを取る、新垣コーチ
佐紀達が、ベンチに帰って来た。
三田は、
「よーし、いいぞ、その調子だ。
向うは何か、
対策を立てて来るだろうけど、
いいから、そのまま、行け。
後は、全て、オプションだ。
お前たちが、今までやってきた
バスケットの応用だ。
全てを、出し切れ!」
「はいっ」
「よしっ、行くぞ。
絶対、気を抜くなよ」
「はいっ」
佐紀が、声をかける。
「ユリ、絶対、リバウンド、取ってよ」
「うん、わかった」
「リカ、ソノ、ミヤ、
スクリーン・アウト、絶対ね」
「わかった」
「行くよ、イチ、ニッ、サン」
「ファイ」

