オフィシャルのブザーが鳴り、
審判が、笛を吹く。

  「3分前」


皆がベンチに戻り、三田の周りに集まった。


  「全身に、力を入れろ」


力を入れて、気張る佐紀達


  「ぐぅーーーー」

  「よーし」


力を抜く佐紀達


  「ふー」


佐紀達は、これを3回、繰り返した。


  「よしっ、気合、入れて行くぞ。

   スタートは、ソノ、アユ、リカ、
   ミヤ、モモ。

   最初は、オーソドックスに、
   ハーフからのマンツーマンで行く」


  「はいっ」


  「いいな、走り負けるなよ。
   最初から、全開で飛ばすんだ」


  「はいっ」


オフィシャルのブザーが鳴り、
審判が、笛を吹く。

  「1分前」


佐紀が、輪の中に入る。


  「いい、バリバリで行くよ」


  「まかせといて」


  「甲陽ぉーー~」


  「ファイトォー」


佐紀達は、5人を、拍手で送りだした。



試合前の挨拶。


  「お願いしま~す」


三田が、大きな声を上げる。


  「よーし、行くぞー」



佐紀達のインターハイが、始まった。