今日は、講義の日である。
三田が会議室に入ると、
佐紀たちが、ニコニコしていた。
「おっ、どうした。
嬉しそうじゃないか」
「コーチ、今日、テレビと新聞の、
インタビューを受けました」
雅美が、
「私たち、凄いことをしたんだなって、
思いました」
それを訊いた三田は、
「ちょうど、よかった。
今日は、それについて、話そう」
三田は、椅子に座った。
「確かに、インターハイへ行くって事は
凄いことだ。
なんせ、県の代表なんだからな。
みんな、自分の県には
頑張って欲しいと、思っている。
マスコミも、自分たちの県は、
こんなに素晴らしいんですよと、
書こうとする。
だから、欠点は書かない。
いい所だけを書こうとするんだが、
往々にして、表現がオーバーになる。
悪い事に、書かれた本人が、
それを、信じてしまうんだ。
マスコミの言う事だから、
間違いないだろうってな。
君たちのように、マスコミに、
免疫のない人間は、特にだ。
ここで、慢心が生まれる。
自分たちは素晴らしいと、
思ってしまうんだ。
すると、出来ない事まで、
出来ると、思ってしまう」

