ベンチに戻って来た華子は、
「いい気味ですわ」
と言うと、雅美が、
「だよね。
あの“あっ”と言う声を聞くと、
胸がスゥーっとするよ」
双海ベンチからは、コーチの怒鳴り声が、
聞こえて来た。
三田は、
「向こうも、次は、
オープン・スタンスで来るだろう。
対策は、わかっているな?」
「はいっ」
「よしっ、もうしばらくは、
このままで行く。
付け入る隙を、与えるなよ」
「はいっ」
佐紀が、声をかけようとすると、華子が、
「思ってた通りでしたわね」
「そうだね。でも、油断は禁物だよ」
「わかってますわ」
佐紀と華子は、茅島の試合を観ている時、
反対コートの双海の試合も見て、
対策を、話し合っていたのだった。
双海ベンチでは、まだ、コーチの怒鳴り声が
していた。
佐紀が、声をかける。
「気合いれて、行くよ。
イチ、ニッ、サン」
「ファイ」

