駅前広場。
梨沙がやってくると、達也がいた。
「よっ、達也。どこか、行くの?」
「いや、祐太を、探してんだ。
お前こそ一人で、どこへ行くんだ?」
「うん、ちょっとね」
「祐太、どこへ行ったんだろう。
もしかして、女かぁ?」
「えっ、祐太、彼女、いるの?」
「おまえ、知らないのか?
佐紀だよ、サ・キ」
「えー、ウッソぉー。マジ?」
「ああ、マジ、マジ。
この前、告ったって、
話してくれたんだ」
「私、サキの行き先、知ってるよ」
「えっ、どこ、どこ?」
「ディズニーランド」
「おっ、間違いない。2人は、そこだ」
「だねっ。おかしいと、思ったじゃん。
サキが一人で、ディズニーランド、
行くなんて」
「よし、じゃあ、行こっ」
「うん」
すると、2人の横に、車が止まり、
ウインドが開いて、華子が、顔を出した。
「あら、2人で、デート?」
「そんなんじゃ、ないよ。
あっ、華子、今、ヒマ?」
「ええ、家に帰るトコですけど」
「じゃあ、ちょっと、連れてってよ」
「どこですの?」
「ディズニーランド」
「やっぱり、デートじゃ
ありませんこと?」
「違うよ」
梨沙は、これまでの経過を、
華子に説明した。
「あら、それは大変」

