茅島は、続けて、プレスで来た。
バスケットでは、少しの遅れが、
致命的となる。
そして、走る距離が長いほど、
差は、大きくなって行く。
ずっとプレスしてきた茅島と、
休みながら走って来た甲陽の差は、
歴然だった。
茅島には、その差を挽回する体力は、
残っていなかった。
甲陽は、立て続けに、速攻を出し、
あっという間に、点差を広げた。
残分1を切り、三田は、ベンチに座った。
「リサ、立つんだ」
「はい」
梨沙は、立って、佐紀たちに声をかけた。
「サキぃ、行くよー」
甲陽のシュートが入ると、佐紀の声が響く。
「プレス」
茅島の気持ちも、ここで折れた。
佐紀たちは、手を抜かなかったが、
足に来ていた、茅島に、
それを跳ね返す、気力は無かった。

