皆がベンチに戻ると、三田は、


  「よし、このまま、ついて行け。
   リカ、ユリと交代しろ。

   いいな、ディフェンス・リバウンドを
   取られるな。

   サキ、他の事はいいから、とにかく、
   6番に、ボールを、持たせるな」


  「はいっ」



第2クォーター。

4番に、ボールが入って、カット・イン。

しかし、その先に、友理がいた。

シュート・フェイクから、センターにパス。

しかし、友理の手に当り、下に落ちる。

センターが慌てて、リカバーするが、
シュートは出来ず、ガードにパス。



ベンチで、桃子が、


  「えっ、なんで、ユリがいるの?
   また、遅れた、ニャン」


すると、里香が、


  「いやっ、あのカット・イン、
   見抜いてたみたいだよ」


  「うっそぉー。ユリ、そんな事、
   出来んの?」


友理は、さっきの試合で、4番が、
どんな時にカット・インするか、
そのときの動作は、どうなのかを、
一生懸命、見ていた。

そして、動きの遅い分、先に動いて、
カバーしようと、したのだった。