佐紀は、弥生たちと別れると、
次の対戦相手の茅島の試合を観ながら、
対策を、話し合った。
歩美「よく走るチームだねぇ」
華子「サキ、セイフティ忘れると、
あのガードに、やられますわよ」
佐紀「うん、わかった」
歩美「あの7番のセンター、結構、速いよ」
友理「ウチ、8番に着くから、
リカ、7番に、付いてくれへん?」
里香「一緒に出られるとは、限らないよ」
友理「えー、ウチ、7番に付くのん?
いややわぁ」
佐紀「だから、スタミナつけなくちゃって
言ってるでしょ」
友理「サキは、トップから、ゴールやん。
ウチは、ゴールからゴールまで、
走るんやで。
ウチのほうが、ようけ、
走ってるやん」
佐紀「その代り、速攻の時、
後ろで、見てるでしょ?」
友理「うん、まっ、それは………」
歩美「ハハハ、サキの、勝ちだね」
コートで、笛が鳴った。
「ファウル」
雅美「おっと、あの4番のカット・イン。
一人じゃ、止められないかも」
華子「そうですわね。
ユリ、カバー、頼みますわよ」
桃子「素早くだよ、素早く」
友理「あっ、そりゃ、無理やわ」
桃子「素早く、行かなきゃ、
ファウルになる、ニャン」
友理「ウチの事は、ウチが一番、
よう、知ってんねん。
素早くは、無理」
華子「じゃあ、ゆっくりでもいいから、
カバー、頼みますわよ」
友理「うん、それなら、頑張ってみるわ」
友理はそれから、4番と7番のプレーを、
ずっと、見ていた。

