佐紀たちが、声のした方を見ると、
弥生と明美が、立っていた。
「弥生さん、アケさん!」
後ろには、麻紀と千夏もいた。
皆、走って行って、4人を取り囲んだ。
「見に来てくれたんですね」
「ええ、見せてもらったわよ」
千夏が、
「あんたら、強いじゃん」
「ありがとうございます」
すると、弥生が、
「コーチ、替わったの?」
と、訊いた。
佐紀は、目を下に落とし、
「すみません。
私のせいで、辞めてしまいました」
「サキだけのせいじゃ、ありません」
「そうです」
弥生は、笑いながら、
「あなたたち、ホントに、仲がいいわね
まっ、坂井さんも、
かなり歳を取られたから、
今頃、のんびり、してるかもね」
「はい、だと、いいんですけど」
「じゃあ、次も、見せてもらうから、
頑張るのよ」
「はいっ、頑張ります」
千夏も、大きな声で、
「みんな、頑張れっ!」
と言うと、佐紀たちも、大きな声で、
「はいっ」
「うん!、その調子。
元気で、よろしい」
「ハハハハハ」
皆で、笑い合った。

